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【令和8年度税制改正】暗号資産はどう変わる? 分離課税・損失繰越・消費税の取扱いをまとめて解説

 
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田中まさき

令和8年度税制改正大綱では、暗号資産(仮想通貨)に関する税制の見直しが明確に打ち出されました。
これまで「雑所得・総合課税」が原則だった暗号資産について、金融商品としての位置づけを強める方向が示されています。

税理士の田中です。
今回は、大綱の中でも特に重要な3つのポイントを、税の専門知識がなくても理解できるように整理します。

タナカ


1. 暗号資産は「分離課税」へ

まず大きな変更点が、暗号資産の分離課税化です。

大綱では次のように整理されています。

  • 対象
    👉 国民の資産形成に資する暗号資産
    (※健全な取引環境の整備が前提)
  • 対象取引
    ・現物取引
    ・デリバティブ取引
    ・暗号資産ETF
  • 課税方式
    👉 他の所得と分離して課税
  • 税率
    👉 20%(所得税15%+住民税5%)

これにより、株式等と同様に、
「給与と合算されて税率が上がる」という状況は避けられる方向になります。


2. 損失は3年間の繰越控除が可能に

分離課税とセットで重要なのが、損失の取扱いです。

大綱では次の制度が示されています。

● 損失繰越の内容

  • 特定暗号資産を譲渡した際の損失について
  • その年の暗号資産の利益と相殺しても
    👉 控除しきれなかった損失がある場合
  • 翌年以後3年間にわたり
    👉 暗号資産の譲渡益から繰越控除が可能

これは、株式や先物取引と同じ考え方です。


● デリバティブ取引も対象に

さらに、暗号資産デリバティブ取引についても、

  • 先物取引に係る雑所得等の特例
  • 損失繰越控除制度

の対象に含めるとされています。

👉 現物・デリバティブを一体で管理する制度設計になっています。


3. 消費税の取扱いも整理

所得税だけでなく、消費税の取扱いについても明記されています。

● 譲渡は引き続き非課税

暗号資産の譲渡は
👉 有価証券に類するものとして扱い
👉 消費税は非課税

これは現行の取扱いを維持するものです。


● 課税売上割合の計算では「5%ルール」

一方で、課税売上割合の計算においては
👉 暗号資産の譲渡対価の 5%相当額
👉 課税売上高に算入

というルールが設けられます。

これは、
「完全に無関係な取引として扱うのは適切でない」
という考え方に基づく調整です。


● 暗号資産の貸付けも非課税

  • 暗号資産の貸付けについても
    👉 消費税は非課税
  • あわせて所要の措置を講ずる
    とされています。

まとめ:暗号資産は「投機」から「金融商品」へ

令和8年度税制改正大綱を通して見える方向性は明確です。

  • 暗号資産を
    👉 資産形成に資する金融商品として位置づけ
  • 課税は
    👉 分離課税(20%)
  • 損失は
    👉 3年間繰越控除
  • 消費税は
    👉 非課税を維持しつつ、課税売上割合は調整

これまでの
「雑所得・総合課税で扱いづらい」
という状態から、制度的に整理されたステージへ移行する内容といえます。


※実際の適用時期や詳細要件は、今後の法改正で確定します。
暗号資産を保有・取引している方は、税制改正大綱ベースで早めに方向性を把握しておくことが重要です。

適用時期については
【金融商品取引法の法改正があった年の翌年から】
と大綱に書かれています。
2027年から…ということになるでしょうか。

タナカ

税理士:田中雅樹(書いている人)

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