弱いを「半分強い」に!

減価償却費とは。数年にまたがって使うから、数年にまたがって経費にしようというモノ。

 
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田中まさき

減価償却のハナシです。
難しく考え出すとキリがなく、書いても書いてもキリがない。
実はそんな世界です。

かるーく、ゆるーく、書いてまいります。

山梨県中央市の税理士、田中です。
税理士にとってはカンタンな話し。。
と思いきや、説明するとなると、なかなか大変なのが「減価償却」です。

タナカ

 

減価償却って、ぜったいにするもの?

  • 所得税→ぜったいです。
  • 法人税→任意です。

所得税は、もしやらなくても、税務署のお咎め(おとがめ)はありません。
減価償却しなかったら、納税者が損をするだけですから。
今年しなかった分は、翌年以降できず。。
完全に機会を失います。(その年の分は、その年でのみ。)
銀行ウケも悪くなります。

法人税も、しなくても、やはり税務署的には問題なし。
減価償却しなかった分は、翌期以降で減価償却できます。
銀行ウケは、悪いです。。

 

取得価額

「固定資産の購入代金+付随費用」
が取得価額です。

【付随費用とは】

  • 購入手数料、
  • 運搬料、
  • 設置費用、
  • 試運転にかかった費用など

実際のところ、減価償却資産って、まとまったお金のかかる資産です。
上に挙げたような付随費用は、サービスといいますか、別途かかるような例はほとんど見ないですね。

 

耐用年数

耐用年数とは、固定資産の使用可能期間のことです。

  • 対応年数が短いと、1年あたりの減価償却費は多くなる
  • 耐用年数が長いと、1年あたりの減価償却費は少なくなる

会計学の世界では、経営者が耐用年数を決めて良いことになっています。
使用頻度や、環境によって、資産がダメになるまでの期間はマチマチですから。
でも税金の世界では、公平な課税ウンたらカンたらで、耐用年数がバシッと決められています。

で、資産の種類・業種業態によって決められた耐用年数に基づいて、減価償却費の計算を行っていきます。
(税金の世界で定められた耐用年数のことを法定耐用年数といいます。)

 

減価償却はいつから始まる?

減価償却費の計算は、買った日から始まるのではなく、使い始めた「月」から計算します。
個人事業主であれば、2月以降に使い始めた減価償却資産は、1年分の減価償却費を月割計算します。

法人であれば、期の始まりの月の翌月以降の使用開始ですね。
3月決算法人だと4月が期の始まり。4月の翌月である5月以降、新しい資産を使い始めたら月割計算になると。

ややこしいですね。。
具体例で考えてみましょう。

 

個人事業主(あるいは、12月決算法人)が、2018年6月30日に新しくPC(35万円)を買ってきた。
その日(2018年6月30日)に、買ってきたPCを使い始めた。

6月から12月までは7か月です。
なので、1年分の減価償却費に「12分の7」を掛け算した金額が、買ってきた年の(買ってきたPCの)減価償却費になります。

 

補足

上の例だと、6月は1日間(6月30日だけ)しか使っていませんが、1か月未満の日は1か月と数えます。

 

減価償却費の計算(PCの2018年分)

35万円 ÷ 4年 × 7/12
※「定額法」で行った場合です。

 

償却の計算。定額法と定率法

定額法とは、上の例の「÷4年」です。
最初の年は月割計算が入ることが多いので、「48か月で均等に減価償却費にする」というイメージですね。

定率法は、経費になっていない資産の金額に「率」を掛け算→減価償却費を計算するやり方です。
4年ですと、「率」は「0.5」です。

上の例のPCで、7か月間の使用ですと、

35万円 × 0.5 × 7/12=102,083円

となります。
ついでに翌年(2019年分)は、次のような感じに。
「経費になっていない資産の金額」に「率」を掛け算するのですから、

(35万円 − 102,083円)× 0.5=123,958円

です。
2019年はまるまる使っているので、月割計算は要らないですね。

 

いちいち全部、手計算?(実務の世界ではNot手計算)

こんな計算、実際のところ、めんどくさ過ぎてやってられません。。
実務では、

  • 資産の名前
  • 使い始めた年月日
  • 金額
  • 耐用年数
  • 償却計算の方法

などのデータを、減価償却を行ってくれるソフトに入力。
ソフトが減価償却費の計算を行ってくれます。

 

オマケ)減価償却できない資産がある

骨董品・美術品など、「時間が経過しても価値が減少しない」とされているものは、減価償却することができません。
ただし、取得価額が1点100万円未満のものは減価償却できます。
(100万円ピッタリは、100万円未満ではないので、減価償却できないです。)

稼働休止中の機械装置なども、減価償却できないことになっています。
でも、稼働させたくても、閑散期で機械が止まっているなど。
そのような場合であれば、減価償却は可能です。
いつでも使用可能な状態ならば減価償却していいよと、そういうルールになっています。

【過去記事】
フリーランス・ひとり社長むけ。減価償却資産・減価償却費 をザックリつかもう!

 

山梨県の税理士:田中雅樹(書いている人)

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